一般古紙
一般古紙の中でトイレットペーパーに再生されるのは、折り込みチラシ、カタログなど、印刷用のインクの多い紙、そしてコピー紙、コンピュータ用紙、ノートなどの白い紙です。新聞、ダンボール、カーボン紙は原料として扱っていません。
原料:一般古紙 牛乳パックだけじゃなく、一般古紙もトイレットペーパーに再生されるんだ。古紙のかたまり一つで、約1000kgもあるよ。
牛乳パック(ラミネート古紙)
牛乳パックは、一般回収と産業古紙に分別。1リットル容器がほとんどですが、学校給食の200ミリリットル容器も独自ルートで回収しています。牛乳パック以外では、紙コップやヨーグルト、カップ麺の容器も同様に処理。内側がアルミ箔の容器、茶色の紙の容器も分類することで原料となります。
原料:牛乳パック(ラミネート古紙) みんなが集めてくれた牛乳パック、紙コップなどが、毎日たくさん工場に運ばれてくるよ。
ダイジェスター(地球釜)
一般古紙を再生する場合、まず紙からインクを分離する必要があります。「蒸解」というこの工程は、釜内に入れた原料を50~60℃で蒸しながら4時間かけてゆっくり回転させることで、パルプ繊維を痛めず紙からインクを分離、同時に殺菌も行います。ダイジェスターは最大詰め込み量20トン、詰め込むだけで1時間30分ほどかかります。
蒸解・殺菌:ダイジェスター(地球釜) 紙の洗濯機みたい!大きな地球儀のような釜で、紙の色を落とすんだ。
パルパー
パルパーは大型のミキサーです。牛乳パック類をタブの中で高温に保ち、薬品を添加してアルカリ性にした状態で羽を回し、かき混ぜます。そして、ポリエチレンフィルムを剥がし、パルプ繊維を引き抜くのが一連の作業です。
分離:パルパー ポリエチレンをちゃんととらないと、トイレットペーパーの原料にはならないんだ。
各種スクリーン
パルパーにより、ちぎれて細かくなったポリエチレンフィルムを、穴や切れ目を入れたスクリーンを通すことでフィルム粕を除去します。大きな物から順に中程度の物、細かい物、微細な物を除去し、パルプ繊維を再生させます。
異物分離:各種スクリーン パルパーではとれない細かいモノを、しっかり取り除いていくよ!
各種洗浄機器
エキストラクターや傾斜スクリーンという洗浄機器(洗濯機みたいな機械)で、パルプ繊維から出たインクを除去します。洗浄の仕組みは洗濯のすすぎと同じ、パルプ繊維に多量の水を含ませ、水を吐き出すときにインクもいっしょに外に出すのです。
洗浄:各種洗浄機器 ここで完全に余分なものが取り除かれ、パルプ繊維だけが次の工程に進むんだ!
抄紙機
再生パルプは抄紙機を通すことで紙になります。抄紙機は、低濃度のパルプ液を金網上で絡ませながら薄く重ねるいわゆる「漉(す)く」作業を自動化した機械です。抄いたものを急速で脱水し、ドライヤーに貼り付けて乾燥します。また、カラーのトイレットペーパーは、抄く前にパルプ液に染料を混ぜて作ります。
昔は手でやっていた手すきの作業を、今は機械が自動でやっているんだ!
ジャンボ原紙
ドライヤーから剥がし、鉄の芯に巻きつけた紙の幅は約3m、約2トンもの「ジャンボ原紙」となります。
トイレットペーパーとは思えない、とても大きな原紙。これからどうなるんだろう?
リワインダー
ジャンボ原紙は、リワインダーという機械で65m,70m等の規定長さ、規定巻取り径に巻き返します。巻き返すときに、エンボス加工、ミシン目加工、エッジエンボス加工も同時に行います。
どこでもちゃんと使えるように、長さ、巻き取りの直径が決まっているんだ。
ログソー(断裁機)
リワインダーにて巻き返したロールは、ログソーという断裁機で規格の114mmの紙幅にカットし、トイレットペーパーが一応完成。ここでは、定期的に重量、長さ、紙幅などの検査をします。
やっとトイレットペーパーらしくなったね。
自動包装機
トイレットペーパーは指定の数に応じてポリエチレンフィルムで自動包装します。現在は、2、4ロール、手持ち付きポリ袋の8、12、16ロールがメイン商品です。コンパクトな8ロールが、環境にやさしい商品ですが、12ロールが主流となっています。
個人で使う人、家族で使う人など、用途によって必要なロール数が違うんだ。
自動ケーサー(箱詰め機)
包装したパックは、ダンボールケースに自動で箱詰めします。ケース入り数は48ロ-ル、64ロール、72ロール、96ロールの4種類です。ケーサー入口では、検査員が包装のチェックを行います。
これで工場内の作業は終了です。長かったですか、短かったですか?
出荷
運送のトラックに荷積みして、全国の問屋さん、お店へと向かいます。
出荷 みんなが集めた牛乳パックが、トイレットペーパーとなってみんなのところに帰って行きます。
丸富製紙の工場見学では、みなさまに集めていただいた牛乳パック類からトイレットペーパーをつくっている「現場」を見てもらいます。そこに映るのは、真っ直ぐリサイクルに取り組んでいる私たちの姿勢です。どのような場所で、どのような機械で、どのような人がつくっているのかを目で、耳で、肌で感じてください。
当社には毎年数多くの人たちが工場見学に訪れます。これを都道府県別に見ますと地元静岡県の方が一番多く、ついで東京都、神奈川県の順になっております。また、見学者グループで見ますと、小学生が一番多く、市町村の役所関係の役職員の皆様やリサイクル推進団体も数多く見学にお見えになっております。
当社では、工場見学にお越しになられる際は、牛乳パックを入場券としてお願いしています。実際に牛乳パックを再処理ラインに投入してもらうことにより、環境問題に高い意識を持ってもらうよう工夫をしています。
丸富製紙は資源・環境保護への積極的な取組みを通して、環境にやさしく、モノを大切にするココロを大事にしていきたいと願っております。
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めんどくさがらずにやっていきたいです
木を使わないのは、地球にとてもいいことだと思いました。牛乳パックのさいりようは、私のお母さんがやっているので、めんどくさがらずに私もやっていきたいです。
★小学5年生
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あんなやわらかい物をつくれるとは思いませんでした
私は、トイレットペーパーが木のほかでつくれることを知りませんでした。牛乳パックでつくっているのは知りませんでした。でも牛乳パックであんなやわらかいそざいの物をつくれるとは思いませんでした。
★小学5年生
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資源を大切にしよう、と強くかんじました
やはり、一番心に残ったことは「リサイクルの大切さ」です。牛乳パックは、飲みおわってすててしまうと、もやされてケムリになるだけですが、すてずにリサイクルすれば丸富工場さんで、トイレットペーパーに生まれかわれます。これからも資源を大切にしよう、と強くかんじました。
★小学5年生
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驚きの連続。貴重な学習になりました
子供たちは、初めて知ったことばかりで見た事聞いた事が驚きの連続だったようです。また、環境問題に関して貴社で行われているリサイクルや廃棄物を出さずに燃料に変えることは、子供たちにとって貴重な学習になりました。
★先生